桐朋生物部のブログ

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透明標本 鳥類編 第二章一+二節

 こんにちは。高二のマルコヴィッチです。
 最近、ブログの更新をするのを怠っていて、申し訳ありませんでした。
今回は、透明化の実験の段取りと、透明化の様子をまとめて載せていきたいと
思います。
 
 初めに透明化に必要な溶液を作ります。まず、ホウ酸ナトリウム飽和水溶液を
120㎖作ります。さらにそこに純水を280㎖入れます。そこにトリプシンを4g入れて
溶液の完成です。
 
この溶液をジップロック(溶液が漏れず、熱が伝わる容器なら何でもよい)にヒヨコと
共に入れ、恒温槽で36~40℃程度の温度で保温します。恒温槽とは読んで字のごとく
容器の中にある水を一定の温度に保つ機械の事です。平たく言えば、小さいお風呂です。
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↑恒温槽とジップロック内のヒヨコ。機械に挟まれないように、金網を立てクリップで留めている。
 
 ここでトリプシンについて、少し説明を。
 トリプシンとは哺乳類の体内で働くタンパク質分解酵素の事で、これが筋肉と化学反応を起こし、
透明化を進めてくれます。この酵素を、なるべく生物内と同じ環境に置いてやる事によって、酵素
の動きが活性化し、反応がうまくいきやすくなります。最初にホウ酸ナトリウム飽和水溶液を
入れたのは、なるべく生物の体内のph値(酸性、アルカリ性の具合を表示する値)に合わせるため
で、恒温槽に入れるのは、生物の体温に合わせるためです。
 
この実験を始めたのが5月8日で、すでに実験開始から1週間が経過しています。5日目ではどんな
状態かと言うと…
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こんな感じです。今までの実験と比べると、かなり反応が遅いような気がします。肉が厚いからでしょうか。
マウスであったら、物によってはすでに原型を留めてないほど、反応が進んでいたんですけどね…。
 
 次は、染色の作業に移りたいと思うのですが…、実は今日から生徒は試験一週間前に入り、
部活動がしばらくなくなってしまいます。なので、ヒヨコの透明化もまだ終わってない事あり、
もう1週間様子を見て、その後染色の作業に移りたいと思います。
 それと、今回のヒヨコの透明標本は、桐朋祭にて展示するつもりです。興味のある方は、
是非実物を見に来て下さい。
(マルコヴィッチが結構頑張らないと、展示に穴を開けてしまう事はナイショ)
 
 ではまた。