桐朋生物部のブログ

桐朋生物部の活動をまとめたブログです。Twitterもよろしく♪

桐朋生物部

ニモ…?

こんにちは RABです。
f:id:Th_biology_c:20230820000346j:image

こちらは皆さんおなじみ‘’カクレクマノミ‘’。部室の個体は現在、少なくとも6年以上に渡って部内で飼育されています。

 

奄美大島以南、沖縄、台湾、東南アジア、北オーストラリア沿岸などに生息しています。

 

クマノミ類中最小の部類になります。小さいからあまり長生きしないと思いきや、実は寿命が25年以上はあると言われています。長生き何ですねぇ。😯

 

宿主のイソギンチャクへの依存度が高く、イソギンチャクの中に隠れていることが多いため漢字では「隠隈之魚」と書かれるようです。
f:id:Th_biology_c:20230820000735j:image

こちらは例の映画で登場したニモ のモデルになった‘’クラウンアネモネフィッシュ‘’です。フィリピン、インドネシアパプアニューギニア北部、ソロモン諸島、特にグレートバリアリーフなどが有名な生息地となります。

この名前にある‘’クラウン‘’は王冠のクラウンで

はなく黄色と白と黒の派手な色彩の衣装をまとい、体をくねらせながら不器用に泳ぐのが滑稽な感じなので、‘’道化師‘’‘’Clown‘’の意味だそうです。

 

ちなみに日本には生息していません。じゃあこの写真はどこで撮ったんだ?!と思ったそこのあなた。もちろんネットから引用した のではなく、東南アジア某国の水族館で僕が撮影したものです。

 

さて、基本的な紹介は終わりました。ここからが本番で、僕が本当に書きたかったところです。😁

 

先程も述べた通り、ニモのモデルは日本に生息していない‘’クラウンアネモネフィッシュ" です。

 

つまり、"カクレクマノミ"はニモのモデルではないのです。(この界隈では有名ですが…😑)

 

なぜ、皆ニモのモデル と カクレクマノミを混同するようになってしまったのか、その理由はネットで検索すれば出てくるのでここでは割愛します🙇‍♂️ 

 

その代わり、この2種の違いについて説明いたします。

 

1、生息地

分布域が異なるためこれで判別が可能。

 

2、生息域からきた名前

クラウンアネモネフィッシュより西側の海域に分布することから

 

カクレクマノミ

"ウエスタン・クラウン・アネモネフィッシュ"ということがある。

感の良い皆さんならもうお気づきでしょう。

"クラウンアネモネフィッシュ"は

"イースタン・クラウン・アネモネフィッシュ"ともいわれる。

 

3、模様

いや、模様に違いがあるのかい と思ったそこのあなた。実はこれがとてもシビアなのです。 

 

一応言葉だけで説明すると、 カクレクマノミ に比べ クラウンアネモネフィッシュ のほうが白いバンドの縁取り(黒線部分)が平均的にやや太いといわれます。

 

試しに見比べてみると…
f:id:Th_biology_c:20230824184518j:imagef:id:Th_biology_c:20230820001231j:image

左がカクレクマノミ、右がクラウンアネモネフィッシュです。

先程も述べたようにニモのモデルであるクラウンアネモネフィッシュの方が白いバンドの縁の黒線が太い傾向にあります。言われてしまうと、まあ確かにとなりますね。

 

さて、実はクラウンアネモネフィッシュは個体によって色や模様の変化が大きくなる傾向がある 厄介?な種なのです。黒縁が消えていたり、バンドが途中で途切れていたり(右写真の下にいる個体もそうですが)黒縁の面積が極端に大きいものなど。ネットで画像検索すればたくさん出てくると思います。

学名である amphiprion percula で検索するとでやすいです。(日本語のサイトだとあまり出てこないです…😓)

 

以上…こういう感じです。