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PCR法について。

どうも、バラムンディです。

突然ですが、これを読まれる方は少なからず生物に興味を持っているでしょうから、DNAというものについて、聞いたことくらいはあると思います。
今月20日に、DNAに関する室内実験実習講座が都内の学校で行われます。
我らが生物部も参加を決めていて、今日はそれに関する予備知識をつけるため、Laoh氏、マルコヴィッチ氏、マリオによる事前授業が行われました。

一口にDNAといっても、それを用いた研究の内容は多岐にわたります。
そして今回は、DNAを増幅させる方法、「PCR法」について実験します。

この記事ではそれについて簡単に紹介しようと思います。



まずDNAとは、デオキシリボ核酸とも言い、皆さんご存じの通り、細胞の核の内部に存在します。
また、リン酸、五炭糖、塩基で成り立つ高分子体のヌクレオチドというもの鎖が二本、水素結合した二重らせん構造をしています。
専門用語だらけで意味不明だろうと思いますが、PCR法においてはそこまで重要でないので、詳しい説明は省きます。

因みに、塩基(2重らせん構造を梯とした時の段の部分)はA(アデニン)、T(チミン)、G(グアニン)、C(シトシン)の4種類が存在しますが、それらの配列だけで、生物の全ての遺伝情報は決定されます。
人の場合はその配列が6×10の9乗という膨大な数の為、DNAをのばしていくと2mにもなります。
それが一つ一つの細胞全てに入っているのだから、驚きです。


ちょっとだけDNAを知った気分になったところで、題名のPCR法です。
これはキャリー・マルスという人が開発したDNAを増やす画期的な方法で、ポリメラーゼ連鎖反応の略です。彼はこれにより、1993年にノーベル化学賞を受賞しました。

この方法の利点はDNAを増やすと言っても、ただ増やすだけでなく、欲しい場所を限定して大量に増やすことができるのです。また方法も非常に簡単で、短時間であるのも利点です。
そのため実験だけでなく、応用し、現在の個人識別や親子鑑定、刑事捜査等に役立っています。
といえば凄さが伝わるでしょうか。

それでは具体的なことについて、説明します。
材料
増やしたい部分を含むDNA
DNAポリメラーゼ…………………塩基同士を水素結合させる酵素
反応液……………………………完成するDNAの材料となる基質が入ったもの
プライマー (2種)…………………増やしたい部分の両端にそれぞれ対応する、3~6個の塩基配列の                    ヌクレオチド

塩基配列はA(アデニン)はT(チミン)、G(グアニン)はC(シトシン)と結合するように決まっており、またヌクレオチドの合成の向きは一定であります。

なお、増やしたいDNAは一つでいいですが、他のものは十分な量を用意します。(プライマーなら数十万個)




意味わかんないですね。
プライマーって言う大事な材料があるんだな、ってことが分かればいいと思います。



方法
材料は全て一緒にしておきます。
①94度に温度を上げる。
②5~60度に冷却。
③72度にあげる。
これを1サイクルとして繰り返すだけです。

原理
①では、高温でDNAを熱変性させ、二重らせん構造をとき、一本鎖が2つの状態にします。
②で2種のプライマーがそれぞれ①でできた一本鎖の対応する部分に結合します。(アニーリングといいます。)
③でDNAポリメラーゼがはたらく適温になったため、基質がプライマーと対応するDNA部分に合成し、ヌクレオチドを形成します。しかしここではまだ余分な部分まで合成されているため、当初の目的である、欲しい部分のみ増やすということができていません。

2サイクル目
①'1サイクルめでできた2本のヌクレオチド鎖をまた熱変性させます。
②'またアニーリングです。
③'ここでやっと1サイクル目に使ったプライマーにより合成されたヌクレオチド鎖に、もう一方の種類のプライマーが結合し、基質と合成されることで、増やしたい部分だけの完全なヌクレオチド鎖が1セットできます。

3サイクル目以降
①熱変性
②アニーリング
③いっぱいできる。

となります。
おわかりいただけたでしょうか。

コンピューターの技術がない為に、図の作成などできないので、とてもわかりにくかったはずです。
ここまで書いてなんですが、興味のある方は調べてみることをお勧めします…。
でもとりあえず、PCR法ってのは材料入れて温度かえるだけでDNAを大量増産できるんだー、ってことでも伝われば、雑学くらいにはなると思います…。


最後に次回の告知 
まだブログに載せていないうちの○○が、そろそろ脱皮しそうなので、近日公開します。
お楽しみに。