桐朋生物部のブログ

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桐朋生物部

荒川水系採集

しぐれです。
先日は、あまり生物部としては行ったことのない荒川水系へと足を運びました。
ちなみに、この川はしぐれが初めて採集を行った地であり、自身の採集初心者だった頃が思い出されます。
(ガサガサに関しては、いまだに初心者さながらですが……)
 
 
面子はしぐれ、アンター、loachmanの三人です。
人数が少ないのは同日に別の採集が行われたからです。
まぁ、今回の採集は少人数の方が小回りが利いてよかったので、結果としてちょうどよかったのですが。
 
さて、今回の目的は文化祭展示のためのオイカワさんとギバチを捕獲することです。
もちろん、他にもいろいろ欲しいですが、とりあえず標的はこの二者です。
一年前に来たときは、ギバチが溢れかえるほど捕れたので、今回もどれほど捕れるか期待されました。
 
まず、以前おこなった場所よりも上流部で採集を開始しました。
イメージ 1
採集をするアンターとLoachman。
本流のわきに流れが緩やかな場所があったので、早速ガサを行います。
始めはカワムツやヒメアメンボの群ればかりが目につきました。
しかし、そんな中、思いも寄らぬ大物が目の前を泳いできました。
それは、軽く30cmは超すであろう大きさのナマズです。
水深は膝ほどまでしかなく、水も澄んでいたため、恐ろしいほどはっきりと確認することができました。
ゆったりと泳ぐその巨体に震えさえ感じました。
ところが一変、こちらに気が付くや否やものすごい速さで逃げてゆきました。
残念。
 
その後はジュズカケハゼやモンキマメゲンゴロウなどもちょくちょく捕れましたが、しぐれは一人先に本流へ向かいました。
流れがそこそこあり、川底の石も大きい。絶好の採集場所です。
ギバチに期待を寄せつつも、採集をはじめます。
ですが、捕れるのはカジカばかり。20匹以上は獲れたのではないでしょうか。
しかし、一向に本命は獲れません。
すると、カジカではない面白いものが捕れました。カジカガエルです。
後々耳を澄ませてみると、いたるところからカジカガエルの声がしていました。
 
採集地移動
 
ウエイダーを履いたまま、荷物を背負ってそのまま川を下ります。
到着は、一年前に採集をおこなった場所です。
以前ここでギバチがバカ捕れしました。
そこで、ギバチの産卵場所ではないかと思われている場所へ向かいました。
しかし、ちょうどそのガサポイントで親子連れが水遊びをしているではないか!
案の定、後々そのポイントで採集をおこないましたが、ギバチどころか魚一匹捕れませんでした。
 
本流ではあまり捕れないと確信したしぐれは、一か八か沢登りを決行しました。
この沢は、本流に流れ込む沢で、森の中を通っています。
目的地のない沢登り、皆わくわくと心躍らせながら、冒険感覚で採集をおこなっていきます。
この沢では、以前に途中まで登ったったときの経験から、カワムツとオイカワくらいしか住んでいないのではと考えていました。
しかし一転、オイカワは全く捕れず、カワムツばかりです。
また、代わりにカジカが捕れました。
こんな水深10cmくらいの沢にも生息しているんですね。
 
さらに奥へ、さらに高く。
部隊の足は止まらない。ドンドン突き進みます。
イメージ 2
日があまり射さない森の中の沢。
そこで、しぐれは思いもよらぬ生物を捕まえました。
 
イメージ 3
コセアカアメンボ……、ですかね?
明らかにふつうのアメンボより、背中が赤いです。
コセアカかヤスマツアメンボのどちらだと思うのですが、特定はできません。
アメンボ科はゲンゴロウ科よりも同定が難しいですからね。
 
魚としてはカジカ、カワムツ以外にアブラハヤが捕れました。
一年前と比べて、大分魚類相が変わったようです。
そんな中、目の前に……
イメージ 4
切り開けた場所が!
まさに、森の出口のようでした。
しかし、よく見ると土木工事中です。水が茶色黄土色に濁っています。
魚なんてそんなにいないだろうと思いつつ網を振るいます。
すると、こともあろうことかタモロコが捕れてしまいました。
こんなに上流でタモロコが捕れるなんて。
と、驚くのもつかの間、そのすぐそばでホトケドジョウが捕まりました。
特に湧水も見当たらないここに、なんでいるのでしょうか?
この沢、不思議です。
 
さらにさらに登ります。
すると沢とは思えない光景が……。
イメージ 5
この写真は、あくまで沢の写真です。
この写真だけ見ては、とてもそうは見えませんが…
とりあえず、ガサを開始しました。
すると、カワムツホトケドジョウなどが捕れました。
そんなところに、メダカが入ってきました。
ヒメダカのようです。しかも、かなりのデカさに、始めはモツゴの稚魚かと勘違いしてしまうほどです。
しかし、なぜこんな辺境にメダカが?
謎は深まるばかりです。
 
その先、行けるところまで行きたかったのですが、かなり深い場所があり、沢登りはそこで断念しました。
その帰り…
イメージ 6
明らかなイノシシの足跡。
しかも、行きには見つからなかったということは……、かなり新しいことを示します。
ゾクッ。現場では皆少し背中に冷たいものを感じました。
 
やっと沢を下りきり、本流付近の拠点にもどって来ました。
その後、時間もかなり押していたため、魚を数えてすぐに学校へと向かいました。
 
 
後日談
 
魚を現地で数えている際、魚と一緒にナベブタムシがケース内を泳ぎ回っていました。
始めは対して気にも留めず、ただただ測定をしていました。
しかし、不運は突然訪れた。
そう、刺されたのです、ナベブタムシに!
何の前触れもなく、突然刺してきました。
突然の強い痛みにうずくまるしぐれ。
見苦しい醜態をさらしているようですが、本当に痛かったのです。
まさに、蜂に刺されたような痛みです。
しかも、刺されてから三日以上たったいまでも腫れは治まらず、かゆみを伴っています。
消化液を微量ながら注入されたのかもしれません。
本当に大変でした。
皆さんもナベブタムシにはくれぐれも気を付けましょう。
 
 
 
【成果】
 
カジカ  34
ジュズカケハゼ  3
ヒガシシマドジョウ  3
カワムツ  40以上
アブラハヤ  2
タモロコ  1
メダカ  1
サワガニ  2
ナベブタムシ  19
 
その他:モンキマメゲンゴロウ、ヒメアメンボなど