桐朋生物部のブログ

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葉脈標本①

お久しぶりです、Laohです。今日は生物部の伝統工芸品である、葉脈標本の製作過程を書いて行きます。
 
葉には、茎から出た維管束(道管、師管、場合によっては形成層の集合した組織の集まり)の分岐が多数入っており、物質の輸送や器官の機械的維持の役目を担っています。これを葉脈といいます。葉脈標本とは、葉を強アルカリの薬品の溶液で煮て、葉肉部分を取り去るとこの葉脈部分だけが残るというものです。
 
簡単に流れを書いて行くと、
1、葉っぱを入手する
2、薬品で煮る
3、ブラッシング
4、乾燥
5、着色
7、完成!
といった感じです。4番までやれば最低ラインのものができます。さて、それでは順を追って詳しく書いて行きたいと思います。
 
1、葉っぱを入手
 葉はできるだけ厚みがあり、堅いものが適しています。生物部では伝統的に、校内に生えているヒイラギの葉を採ってきて勝手に使っています。他にも何種類か試してみましたが、やっぱりヒイラギが一番でしたね。
 
2、薬品で煮る
 色々調べると、水酸化ナトリウムとか重曹とか書いてありますが、これもまた伝統で、生物部では水酸化カリウムを使っています。一昨年くらいまでは作る枚数が多くなかったので、毎回溶液を作りなおしてましたが、時間がかかる上薬品を大量消費するので、大量生産しなければならない今では何回も使っています。桐朋祭までに2000枚作らなきゃならないので…。そのため溶液の色はかなりのもの。ちなみに、濃度なんて特に気にしてません。生物部員は皆長年の経験と勘で、入れるべき薬品の量を判断できるのです。
 早い時は15分程度で、長い時は2時間位煮続けなければなりません。4年間葉脈標本を作ってきましたが、いまだに何故こんなに時間にばらつきがあるのか分からないままです。
 
イメージ 1
 
 
3、ブラッシング
 ある程度煮えてきたら、各自トレーに入れて、歯ブラシで葉肉を落としていきます。恐らく煮汁の濃度はものすごく高いので、一度水を入れたプラケにいれて葉を軽くすすいでからにしています。それでも、素手でやってたら指紋がなくなりました。
上手く煮えていると、1分もしないうちに葉肉を落とせます。しかし、煮すぎたときはちょっと擦っただけで破れ、煮たりないときはなかなか葉肉が落ちず、かなり苦労します。
イメージ 2
 
 4、乾燥
 その後できた葉の水気を雑巾で拭きとり、新聞紙の上で乾燥。新聞紙で挟んで乾燥させないと丸まってしまい、今後の作業に支障をきたします。
イメージ 3
 
 
今日はここまでにします。続きはまたいつか。