桐朋生物部のブログ

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アカハライモリの二又実験

どうも。コムです。
 
突然ですが、生物部では毎年「部報」という冊子を作っています。
部報には、その一年の生物部の活動と、一人ひとりの研究を載せます。
 
つまり、部員には一年の集大成ともいえるような研究を一つやらなければならないという使命があるわけです。
 
 
私は今年アカハライモリについて研究しようと思っていて、今回はそれについて書きます。
 
 
 
まず、琵琶湖合宿のときに頼んで持ってきてもらったアカハライモリの尾の先を数センチを切断しました。イメージ 7
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
このとき、思い切り力を込めて切ると切断面も綺麗ですし、イモリもあまり暴れませんでした。
その後、血が出るが少しすれば止まる。
また、しばらくの間、尾は刺激を加えるとゆっくりとだが動いた。イメージ 4
 
 
曲がる尾の先端
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アカハライモリという生物は再生能力が高く、骨や網膜なども完全に再生することができます。
イメージ 1
 
 
再生途中のアカハライモリの手
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その原理を書きますが、あまり必要ない知識ですし、分かりにくいかもしれませんので興味がなければ読み飛ばして下さい。
 


 
この原理を一文で表すと、アカハライモリが細胞を未分化細胞にして、その後またそれぞれの細胞に分化させていくからです。
 
もともと細胞というのは、筋肉の細胞や、骨の細胞、皮膚の細胞など様々な種類があります。
動物では普通、それぞれの細胞からはそれぞれの細胞しか増やせないため、筋肉の細胞からは筋肉、皮膚の細胞からは皮膚しかつくれません。
 
しかしアカハライモリは、それぞれ別の種類の細胞を、負傷した所からどんな細胞にでもなれる細胞にすることが出来ます。
この細胞を未分化細胞といいます。
 
そして、この細胞を色んな種類の細胞に分けていく(分化)ため、場所を限らず再生できるわけです。
 


 
研究はアカハライモリが再生する過程の細胞を観察します。
 
まず、研究とは直接関係ないですが血液を顕微鏡で観察しました。
尾を切ったときにでた血液を少量使います。このとき、プレパラートに乗せる血液の量が多いと、見えにくくなってしまいます。
 
イメージ 5
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                                                
 
 
                                                  (600倍)
この楕円形の大きな粒が赤血球です。人と比べると、かなり大きいです。
しかし動物の中では、赤血球はこのように大きく、核を持つものが大半。
哺乳類などでは、酸素をより効率よく運ぶために、赤血球を小さくし、核を無くしたと考えられています。
 
 
次に研究の本命である、細胞の観察に移ったわけですが、イメージ 6
 
 
 
皮膚(600倍)
 
厚すぎてよく見えない。
 
 
 
 
 
イメージ 8
イメージ 9
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
筋肉  (150倍)                                 (600倍)
何がなんだかよく分からない。
 
どちらもまともに細胞の様子を見ることができず。少なくとも皮膚の細胞の方はこの顕微鏡でも見れるはずなのですが、厚すぎたので事前に切り方も調べておくべきでした。
筋肉は繊維状になっているはずが、先端のほうすぎたためか、うまくほぐれず。
 
 
そんなことをしていると近くにいたバラムンディが何かを発見する。イメージ 2
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんと、ちょうど実験に使っていたアカハライモリの左後ろ足の指が二つに分かれていたのです。
 
 
 
 
では、あるいみここからが本題です。前置きが以上に長かったですね。
写真も見辛く、結果も芳しくなかった細胞の観察は部報用に置いといて、ブログではこの分かれた指を追っていきます。
 
これがどうして起こったのかはわかりませんが、どのようにすれば作れるのかを調べます。
 
 
今回は、指にハリで強い刺激を与えて、指が取れたと錯覚させようとしました。
馬鹿らしいことではなくてですね、ウーパールーパーはこのようにすれば指が生えてくると聞いたことがあったんです。
イメージ 3
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
左前足を刺します。
力を入れすぎて、貫通してしまいましたが今後どうなるのでしょう。
 
因みに、イモリは前足の指が4本、後ろ足の指が5本です。
指が増えたときに、歩き方とかにも問題がでてくるかもしれないので、そこも観察しようと思います。