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ハグロトンボの観察会⑬  第二章

マンファりです。
前回の続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/13861683.html(前回の記事)


分類

トンボは不均翅亜目と均翅亜目という二つのグループに分けられます。


不均翅亜目

これはアキアカネシオカラトンボなど翅を開いてとまる種類です。
その他にも前翅と後翅の形が違う。幼虫(ヤゴ)の体形がずんぐりむっくりしているといった特徴があります。

均翅亜目

これらはハグロトンボなどのカワトンボ科が属しています。
不均翅亜目とは対称的に翅を閉じてとまります。
また翅の形が前後で同じ、幼虫の形が細いといった特徴があります。


そしてムカシトンボというトンボがいます。
これは翅の形が前後等しく、翅を閉じて止まりますが体形はずんぐりむっくりです。
このトンボから二つのグループに分かれたといわれています。
ヒマラヤと日本にしか生息していません。 http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/3391558.html
(ムカシトンボの採集記録)
(ちなみに世界に約5500種のトンボが生息していますがそのうちの214種は日本に生息しています。
日本に”水”といっても河、川、小川、渓流、池、田んぼなどさまざまな”水の形”があるからではないかと個人的に思っています。)

生活史

まずトンボは水辺に産卵し、幼虫は水の中で成長しやがて成虫になります。

産卵するにもさまざまな方法があります。

①水中に投下するタイプ
アキアカネなどがこれにあたります。
浅瀬などで♂と♀が連結して飛行し、時折♀は水面に尻尾を打ち付けて産卵します。
卵は弾力性に富んでいません。

②陸上に投下するタイプ
ナツアカネがこれにあたります。
梅雨などに大きな水溜りになる場所に卵を投下します。
なぜ梅雨に水溜りができるのがわかるのかというと空気中の水蒸気量を感知しているのではないかといわれています。
卵は弾力性に富んでいます。

水草に産卵するタイプ
ハグロトンボなどのカワトンボの多くは水草に産卵します。
ミヤマカワトンボは潜水産卵を行います。
読んで字のごとく。♀が水にもぐり水草の根に産卵します。
なぜなら他の♂に邪魔をされないためだそうです。


交尾について

♂の生殖器と交尾器は同じものではありません。
生殖器は腹部の先端に、交尾器は腹部の付け根にあります。
♂は生殖器を交尾器にこすりつけ精子をつけます。
♀は交尾器についた精子を受け取ります。
しかしここで受精はしていません。
産卵する際に受精します。

また♂の交尾器にはフック状のものがあり、これで自分より先に交尾した♂の精子を押し込むか書き出すかします。
そこで♂は交尾すると♀が他の♂に横取りされないように見張ります。

交尾≠受精
産卵≒受精

です。



それではまた。