桐朋生物部のブログ

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アユ

Laohです。今日は日本人なら誰もが知っている、アユを紹介します。名前だけ聞いたことあるけど、どういう魚か分からない、という方も少なくないのではないでしょうか。
 
【アユ】
・全長…10~30㎝。生物部では主に琵琶湖合宿で採集している。その時捕れるサイズは10㎝前後で稚魚ばかりであった。
 
・分布…北海道(西部以南)~九州。
 
・生息域…中流~河口、湖沼。水の綺麗な川にしかいない。
 
・生態…晩秋に川で生まれた幼魚は海へ降り、春に川へ上る。主に付着藻類を食べるため、岩の表面にはアユが苔をかじった「はみ跡」が残る。
 
・見分け方…慣れていなくても一目でわかる。鰓ぶたの後ろに黄色い斑点があり、胴体は独特の緑っぽいような黄色っぽいような体色をしている。口が白くなっているのも特徴。
 
・備考…日本の国魚らしい。先日書いた参考文献によれば…。というのはウィキで調べると日本の国魚は錦鯉となっているからである。まあ図鑑の方が信頼できるから、国魚なのだろう。
 
 
<琵琶湖産コアユの放流問題>
 
 現在日本各地の川で、琵琶湖産のコアユ(琵琶湖に生息するアユのみコアユと呼ばれる)の放流が行われている。コアユを放流することにより再びアユが定着し、遡上する姿が見られたりして、昔の姿を取り戻すことができる、とされているからである。我が生物部の母なる多摩川でもこの活動は活発に行われていて、テレビや新聞なんかでも小学生がアユを川に逃がす光景がたびたび見られる。しかしこの子どもたちが逃がしたコアユはほんの一部にすぎない。何十キロという単位で、この放流が行われているのである。
 一見素晴らしい活動に見えるこのコアユ放流だが、実際はそうでもない。カワムツオヤニラミ、ドンコ、ムギツク、これらはコアユ放流に混じりこみ、本来の生息域でない地域に広まってしまった魚、いわゆる国内移入種である。ドンコ以外の種類に関しては生物部の調査でも生息を確認した。
 オヤニラミやドンコは非常に凶暴な種類である。こんなものが多摩川に放たれ、繁殖しだしたら、もとからいた魚に悪影響をもたらすのは明らかである。カワムツは凶暴ではないが、たくさん増えてしまうと在来のオイカワ、ハヤ、モロコなどの魚の生息場所を奪ってしまう。
 この記事を読んでいるみなさんには、是非、琵琶湖産コアユの放流はいいことばかりではないということを知っておいてもらいたい。加えて、近年外来種問題がなにかと取り沙汰されるが、国内移入種問題にも目を向けてもらえればと思う。
 
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