国分寺高校と合同合宿 ①
どうも、Funajiroです。
今回は移動手段が全てバスなので、集合時間に間に合わなかったデンドロビウムはバスに乗れませんでした。
11時過ぎ、採集地に着きました。はじめの場所は千葉県北総地域を流れる小川です。“谷津”(多摩地域では谷戸と呼ぶことが多い)の水を集めて流れる小川が、改修工事で生物の棲めない様な環境になってしまいました。この辺りではニュータウンの建設がすすむ影響で、それまで良好な環境だったところが工事で壊されてしまっているとのこと。
そんな川を周辺住民が再び自然の状態に近づけようと、再生に取り組まれています。現在では川の一部で植物が生い茂る環境になり、魚も増えてきているとのこと。定期的に調査して生物が戻ってくるか調べているそうです。
盛り上がりました。
ツチフキ(とメダカ)
この場所は後にし、昼食を済ませ、次に向かったのは霞ヶ浦に程近いところにある水路です。
濁っていて、ぱっと見深そうだったのですが、入るとそこまでではありません。
底は泥っぽいのですが、底なしのような状況ではなく、砂っぽくもあって、歩きやすい場所でした。こういうところは普段の採集で訪れないので新鮮に感じます。
ビンドウには大量のタイリクバラタナゴやモツゴがかかっていました。タイバラの体はホント綺麗です。
タイリクバラタナゴ
17時ごろになったところでここでの採集も終えました。
宿舎ではこの合宿に同行してくださっていた先生の一人が、霞ヶ浦のタナゴ類に関する研究について紹介してくださいました。
霞ヶ浦にはアカヒレタビラ、タナゴ、ヤリタナゴなどが在来種として知られていますが、現在、カネヒラ、タイリクバラタナゴ、オオタナゴが外来種として確認されています。このうちカネヒラは元々西日本に棲む魚で、国内移入種です。タイバラ、オオタナは国外外来種です。
霞ヶ浦では在来のタナゴ類が減少していると言われていますが、在来タナゴと外来タナゴの関係について研究なさっているとのこと。
そこで大事な点としては、
霞ヶ浦周辺では、場所によってタナゴ類の数や種構成が異なっており、広い範囲の空間的な視点で見ていくということ、そして個体数の変動は長期的に見ていかないといけないということです。
詳しいことは省きますが、調査の結果次のようなことが分かりました。
・在来タナゴ、外来タナゴとの種間競争で個体数は変動しにくい
・外来魚による捕食が大きく影響しているわけではない
・個体数の時間変動は霞ヶ浦全体での気候変動などで変わる
そして、今タイバラが優占しているのは、霞ヶ浦の環境が悪化(溶存酸素量の低下など)したことによって、それに耐性のあるタイバラが結果的に多くなっているのではないかという結論に至ったということです。
安易に「外来魚のせいで在来種が減ってしまっている」と主張することが必ずしも正しいとは限らないのです。
要因が複雑に入り混じってある中で、「外来種の影響」と一言で済ませられるはずがありません。
これは場所それぞれで違う事なので、一概に語ることはできません。
詳しいことを書いていないので分かりにくいとは思いますが、霞ヶ浦の現状について知ることができてよかったです。
その後は夕飯を食べ、風呂に入って就寝。
二日目へつづきます・・・
(二日目はこちら)