桐朋生物部のブログ

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透明標本 ①

おかげさまで新学期が始まり、今日はミーティングを開いて今後一年間の予定と客員の役割分担などを決めました。文化部にとって6月に開かれる桐朋祭は目立つことのできるる唯一の舞台です。新年度が始まってから文化祭までは毎週末に採集の予定が入り、一年間で最も忙しい時期となります。

さてそんな桐朋祭の目玉の一つ(?)「透明標本」について何回かにわたって書いていきたいと思います。
透明標本とは小型の魚類や両生類の骨格を観察するための標本の一種で、筋肉を透明化し骨格を染色することで、生きたままの状態で骨格の様子を観察することができます。昨年ごろから冨田伊織氏が商業用に販売しているものが話題となっているのでご存知の方も居るのではないでしょうか。
我が部でも熱心な死体マニアのI氏がこれを新聞で見つけて来て、昨年の秋からチミチミと標本を作ってきました。まだ数は少ないですが、見るに耐えるものもいくつか完成しているので、桐朋祭まえに作成方法から完成品の解説をしていきます。

作成方法
透明標本の作成は大まかにわけて筋肉の透明化、骨の染色、保存の三段階に分かれます。今回は薬品の名前や細かい行程はあえて省いて大まかな流れだけを写真を使って追いたいと思います。使った実験体はアカガエル、その他川魚各種です。

1. ホルマリンで固定、内蔵抜き、皮剥ぎ
透明化をする準備段階として皮を剥ぎ、内蔵を取り除きます。薬品で溶かすことができるのは筋肉だけなので、これらが残っているとうまく透明化できません。内蔵を残した物も試しにつくってみたところ内蔵が黒ずんでしまい、あまり綺麗ではありませんでした。
ここらへんはグロいので写真は自重します。

2. 透明化
いきなりクライマックスです。かなり途中経過をぶっ飛ばしてます。1の処理を施した実験体を消化酵素を溶かした溶液に入れ、恒温槽を使って37℃前後に保ちます。夜間は恒温槽が使えなかったのでクーラーボックスに入れて保温しました。
イメージ 1
消化酵素で透明化中のカワムツヒレの先が透明っぽい…?
イメージ 2
夜間はクーラーボックスにて保温。

はたしてこんなんで本当に透明になるのか!?次回は透明化の結果と染色から完成までを書きたいと思います。  
なお実験の方法は主に下記の2サイトを参考にさせていただきました。実際に行った実験はほぼこれに従いました。

・信州理科教育研究会 
魚の透明標本を作って、骨格の仕組みについて考えようhttp://www.shinshu-riken.jp/kyouzai/toumeihone/toumeihone.htm
Museum of Fishery Sciences 
コラム透明標本の作り方