桐朋生物部のブログ

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宮古島魚類採集 part2

2日目。
今回は島で一番遠浅の海へ行くことに。私の目標とするあの種とこの種が見られるはず…(`_´)
期待を胸にレッツゴーー

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目に飛び込んで来たのは地平線まで続く果てしない砂浜。大潮の干潮時、一番潮が引いているのでとても海には見えません。
ずっとここ来たかったあ( ;∀;)そんな気持ちで一杯でした。

しかし採取を始めて15分。魚影どころか生物の姿すら見えず、またまた暗い雰囲気に。私はチミチミ海草を採取することに…

そんな中ひたすらガサをするヒデさん。川で鍛えたガサの腕は一級品。なんとベラなどしか取れない環境の中、私の目標を二種も捕まえてました。

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ソデカラッパ
長年探してました。カラッパちゃん。私が初めて採取したのが小学3年生くらいの時。沖縄の旅行先の浜で三匹捕まえました。その時からずっつつと思い出の中に残っているカニで、部活としてもいつか捕まえて飼育を通して観察して見たいと思ってました。

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特徴は何と言ってもこの丸さ。一般のトゲトゲしてるカニとは似ても似つかない姿。しかし私からしたら形が変な事くらい自然界では普通にある事なので全く面白くありません。
私が彼に魅かれたのはその習性とあることのために他のカニとは違った進化をしたハサミです。
まず彼らは

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砂に潜る、それもすっぽりと
右が本体、目だけを出して潜っています。潜るくらいならガザミでもするんじゃない?と思う人もいると思います。ガザミも確かに同じ様な潜り方をしますがなんか砂をかけて潜っているような感じですね。動作も大きいです。対してカラッパはスススっと、小さい動きで完璧に潜ります。ハサミもそれ様にショベルの様に進化しており、ガザミのハサミが潜るのに適していないのがよくわかります。
このハサミ他にも凄いところがあるんです。
普通のカニのハサミ

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カラッパのハサミ

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非常に短く、そして湾曲をしてるんですよ。何かに似てる様な…家庭で割と使うやつ…(´-`).。oO
そう

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缶切りです!
彼らは早く動く生き物を狙うのではなく、鉄壁の防御力を誇る貝たちを食べる事を選んだのです。主に食べるのが巻貝で貝をくるくる回しながら下の方から砕いていきます。缶切りと同じくテコの原理を使っているのます。巻貝を専食するカニはカラッパだけでとても他の種には出来ない芸当です。実は甲殻類も好んで食べており、同種やヤドカリなども捕食対象です。
ちなみに硬い物を砕いて食べるためハサミの力は凄まじく、金網でもグニャグニャしてしまいます。おそらくカニ類最強の握力を持つと言われるタスマニアキングクラブを除けば、世界最強のカニでしょう。
甲殻類握力3強
1.タスマニアキングクラブ カニ

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380kg
2.ヤシガニ ヤドカリの仲間

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350kg
3.おそらくカラッパ
握力は小さすぎたのか測ったという記録がない。

そんな鈍重パワー系に思えるカラッパですが、寝込みの魚を襲い、抱え込んで捕食するなど結構俊敏なところもあるんですよね。走って逃げるのもクソ早いww

熱弁してしまいましたが、先輩が捕まえたもう一匹の目標。

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ミナミウシノシタ
部活史上2種類目のウシノシタ!カレイの仲間です。模様が細かく、目も同じ雰囲気なので顔のわかりづらいウシノシタの中で更にわかりにくい顔をしています。

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そして油断していた私達に悲劇が訪れる。

私「先輩凄いじゃないですか!」
ヒデさん「けどなんか汚いネバネバ出してんだよね~」
私「うわ、ほんとだ、白くてネバネバしてる。他の魚達に影響は…」

既に時遅し、魚は全滅していました。
この種類、ウシノシタで唯一毒を出す種類なんです。それも猛毒。魚どころか毒に比較的強い甲殻類すらも瀕死でした。その強さは私が手を水に入れると手がピリピリする程。勿論カラッパもひっくり帰ってました。ぎゃあああ:(;゙゚'ω゚'):

幸いにも一命をとりとめたカラッパ君でしたが、その後もしばらく動きませんでした。
先輩が流れを作ってくれた後は沢山の生き物が見つかりました。私もカラッパを自力で五匹も捕獲でき大満足です。大体顔を出しているので潜る瞬間にもうわかりますね。不自然な程丸い石はカラッパですしポンポン見つかりました。全員で合計10匹。捕まえようとすれば20はいったでしょう。

続いてメタリックカラーのハナシャコ

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私が求めてるのはこの一つ上の種類なんだ…(。-∀-)

そして終わりに近づき、浜の真ん中で歩いていると…
w.net「○○ケン!」
私「どーしたー」
w.net「ハタゴあったあ!」
私「は?ハタゴ?!」
なんと水深10cmほどの場所に

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イソギンチャクで最大の目標であるハタゴイソギンチャクがあるではないか。これにもえ私は大興奮。w.netと二人掛かりで採取にあたります。が、しかし石が硬すぎてとれたもんじゃなかった…_:(´ཀ`」 ∠):
これからクマノミを取りに行くというのにその家となるイソギンチャクを回収できない…一日とても楽しかったですが、悲しい最後でした。全体で見ると大満足でしたけどね?