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ヒダサンショウウオ

 
1ヶ月ぶりの生き物紹介、本日は採集記でも紹介したヒダサンショウウオです。サンショウウオといえば「オオサンショウウオ」を思い浮かべる人が多いと思いますが、他にも多くの種類がいるのです。
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パッと見た感じ、ウーパールーパーみたいですね。この個体は幼生なので水中生活ですが、変態して成体になると陸上で生活するようになります。
 
赤っぽい毛が頭の後ろから生えているのがわかると思います。これは外鰓(がいさい)という幼生の期間だけにみられるものです。鰓がない代わりにこの器官から酸素を取り込むんです。普通はこんなに大きくないので、これだけはっきりわかる外鰓も珍しいんですけどね。
他にもこの写真じゃわからないんですけど、指先に爪があったり、尾がひれ状になってたりします。これらの特徴は「流水性サンショウウオ」の特徴に当てはまるものです。
 
本種は主に山地の渓流に生息する(これが流水性サンショウウオと呼ばれる理由)ので冷えた環境をとても好みます。だいたい水温が1年間を通して10度程度の場所で暮らしています。人間にとっては恐ろしく低い水温ですね。しかし、飼育をしようと思ったらこれに近い温度にしなければなりません。25度を超えてしまったら死ぬと考えていいでしょう。生物部では冷蔵庫のような温度を一定に保つ機械を借りて飼育しています。ただ、この機械は故障しておりどんな設定をしても中の温度を8度にしてしまう困り者です。でもとても重宝しているので感謝してますよ。
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14,9度の表示ですが、不測の事態のために普通の温度計も入れてあります。
 
 
エサは幼生の時期はアカムシ、成体になってからは小さな昆虫です。
 
自然下では人目につかない場所にいるので、生息地をわかっていても捕まえられないことが多いです。動物園にでも行かない限り一生目にする機会はない生き物だと思いますね。
 
とても神秘的な生き物だと思いませんか?