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ガザミの標本

momoです。涸沼合宿三日目の記事で紹介したガザミですが、
学校に持ち帰ってきたときにはすでに移動のストレスでお陀仏でした。

しかしこんな立派なガザミをただ埋葬するなんてもったいないこともできないので、標本にしてみました。
カニの標本の作り方はネットで探してもあまり見つからなかったので、手順も詳しく書いてみようと思います。
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学校にて、死亡を確認。

~ガザミの標本の作り方~

1. 体を関節ごとにバラバラにする

カニ自切をするくらいなので、関節は簡単に外れます。
手足を軽く引っ張ると付け根から抜けて気持ちイイです。

次に胴体を開きます。腹側の三角の部分を引っ張ると胴体が後ろから上下に開きます。
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このガザミは捕まえたときに右の遊泳脚(平たく、泳ぐために使う脚)を自切してしまったのでそこは根元の部分しか残っていません。

2. 肉を取り除く

ガザミのような大型のカニは放っておくと肉が腐るので胴体の肉を取り除きます。
まずは開いた胴体の両側にある黒いエラを取り除きます。これもピンセットで摘むと簡単に取れて楽でした。
次に足の付け根にある筋肉をピンセットでかき出します。
筋肉は脳やエラがある上側からよりも、足が生えていた穴からとったほうが効率がいいと思います。
この熱帯夜に一晩おいておいたので肉はドロドロになっていてものすごく臭かったです。
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黒い部分がエラ。

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一通り肉を取り除いた状態。

3. 乾燥

ここまでやったら一日乾燥させました。足は無くならないように、付箋か何かで番号を振っておくとわかりやすと思います。
なお、面倒くさいので今回は足の肉抜きは行ないませんでした。
細い歩脚はともかく、太いハサミの部分は関節ごとに切り離して中の肉を抜くべきだったかも知れません。

作業をしている一時間ほど、太陽を浴びたら表面が真っ赤になりました。
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4. ボンドで接着

昆虫標本の強い味方、木工ボンドを使って手足を元通りにくっつけます。
まずは上下にわかれた胴体部分を接着。腹側の三角も元通りにします。
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次に足を一本ずつもとの穴に接着していきます。
この時どの向きにつければいいかけっこう迷いますが、よく見ると脚の付け根の関節には歯のように尖った部分があり、これが胴体側のくぼみと噛み合うようになっています。

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この調子で全ての脚を接着します。
ボンドは脚よりも胴体の穴に塗ったほうがいいと思います。
ハサミの部分は重いのでボンドが乾くまで固定するのが難しく、右のハサミは接着部分が若干ズレてしまいました。

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いろいろ手を抜いた部分、反省点はありますがなんとか形になりました。
あとはいつもどおりラベルを貼って、適当な箱に入れて完成です。