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~シリーズ 寒天培地で菌を培養~ その0,5

空には夜の帳が下り、バラムンディはたらこスパゲッティを目の前にしながら、ブログを更新します。
 
昨日ついに落下菌の実験をしようと思い、ジャガイモ、ブドウ糖などを準備し、いざジャガイモの煮込みを始めようとしたとき、マリオのありがたきお言葉が僕らを遮った。
「ただ寒天を作るだけで、ああ、空気にはいっぱい菌がいるね、じゃダメなんだよ。そんなことはだれでもやってるし、研究なんだから今まででわかっていることをただ検証するだけじゃ何も生み出さないでしょう。」というのがマリオの見解であった。ごもっともであるが、僕らとしてはとりあえず寒天の作り方を落下菌で慣れるというワンクッションを入れて、変形菌の研究に入りたかったのであるが、その旨を伝えられることができずにマリオはいってしまった。
 
今さらっといったが、僕らは変形菌の研究をするつもりだったのである。
変形菌とは、いつもは単細胞が多数集まった状態の変形体で、進行方向に扇状にひろがって餌を食べたりしながら大きくなり、自分の周りに餌がなくなったとわかると急ににょきっと子実体となり、胞子を飛ばして新天地を目指す。子実体で食用となりうるものがキノコである。変形体は細胞壁がない原形質の塊であり、さらには内部で原形質流動が行われており、それのために動くことができるのである。
因みに原形質流動の速度は3m/秒に達するものもいる。(ただ原形質流動は往復運動もするために、その速度で変形体が移動することはない。)
扇状に広がっていたものが一斉に集まること、裸の原形質のまとまりであること、その早い原形質流動など、興味深い生物である。
ただマリオの言うようにその生物を一体どのように研究するのかまだもやもやしていた感があるので、コムとまた少し話し合おうというところで、今日は終わる。