桐朋生物部のブログ

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垣添忠生氏の癌講演

バラムンディです。
もうすぐクリスマスです。
といっても誰かステキな人と過ごすわけではなくさびしいものですが、それはさておき、皆が採集に行っている間、僕とlaohさんは17日から19日まで学校で行われていた癌の講演に行っていました。
講演というか講義ですね。
してくれたのは垣添忠生先生で、普段はなかなか話すことなどできない偉い方です。
簡単に経歴について書かせて頂きます。


1941年、大阪に生まれ自然の中で幼少時代を過ごした忠生さんは、つらい小学校時代を経て桐朋に入学されました。桐朋では生物部に入部し、チョウに興味を持って活動をしていたそうです。
学生生活を過ごされたあとは、東大医学部を卒業され、都立豊島病院、同大学泌尿器科助手などを経て国立がんセンターに勤務され、そこで手術部長、病院長、中央病院長、総長などを勤められました。
2007年に退職し名誉総長となったあとも、公益財団法人日本対がん協会会長、財団法人がん研究振興財団の理事などをされました。
著書に「妻を看取る日」、「悲しみの中にいる、あなたへの処方箋」、「がんと人生」など一般の人向けのものや、専門書なども書かいていらっしゃいます。


というように、桐朋生物部のOBで、しかもとても偉い人です。
今の生物部からもこんな人が出てきたりするんでしょうか。


閑話休題。講義について。
流れとしては、は3日とも垣添先生と学校の先生の二人で進められる形で、前半はスライドを用いて話して下さいました。

それからいったん休憩をはさみ後半に移ったのですが、今回は先生が先生なだけあってなのか豪華で紅茶、コーヒーなども用意してあって、先生方も「今回はアメリカみたいにティータイムを用意した。」と話してました。

後半に移ってからは生徒も一緒に討論する形で、がんのことや、そこから離れたこともいろいろと話し合いました。



まず一日目。
学校に着いたはいいのですが、laohと二人して場所がわからなくて、会場に着いたのはもう開始直前でした。
この日だけはしぐれ氏やマリオ(顧問)もきてました。
この日のテーマは「がんという病気についての基礎知識」といった感じで、日本では今世界的に見てもダントツでがん患者が増えていること、がんは遺伝子の病気であること、原因で大きいのは肺がんに限らずタバコであることなど、を話して下さいました。

イメージ 1



スライドの一部分。
途中で何の脈絡もなく山の写真でが出ているのは、がんという思いテーマを扱うのだから、少し息ぬきというか、ユーモアを交えつつ、という先生の気配りで、ご自身の言ったことのある山の写真や、他にはチョウやカヌーのバージョンもありました。

ティータイムの時は我々の部報を渡して、少し話もしました。

午後は先ほども書いたように討論で、いろんなことを話し合いました。
午前中の質問や、なんか関係ない話もあったりして。少し前までよく騒がれていた、放射能の話も出てきましたが、先生の見解としては、「ほぼ人体とは関係ない、それよりももっと大事なことがあるだろう。」という感じでした。


2日目。
この日は迷わず会場に着けました。当たり前ですが。
この日のテーマは昨日の続きといった感じで、奥さんががんで亡くなった話や、国のがん対策などについて話して下さいました。
イメージ 2この日のスライドの一部。
このページは山などの写真ばかりです。あえて選びました。
妻を看取るという思いテーマだからこそ、入れたのだと思いますが、僕らもあまり重苦しい雰囲気にはならなかったので、十分に効果はあったのでしょう。

この日の討論でも色々話しました。
この日は「今の社会はどんどんと否定的なことを言って新しい物事をつぶそうとしているが、本当はそんなんじゃいけない」ということが討論の中では印象深かったです。


3日目。
ついに最後となってしまったこの日は、空手部で一緒のコキもこの日は連れてきました。(実は二人は空手部兼部)
この日は自分自身のこと、死生観などをテーマにして講義をして下さいました。
その死生観について、妻を亡くした今、先生は死ぬなら自分の家で跡形もなく消え去りたい、80歳くらいには死にたいと、おっしゃっていました。
からしたら死ぬなんてまだ考えてなく、できれば死にたくないと思ってるので、感慨深い(?)といった感じで聞いていました。
自身のことも話され、幼少時代のころ自然の中に暮らしていたことや、多趣味で大学の頃は油絵、空手を嗜み、現在も毎日トレーニングをしていて、居合の道場にも通っているし、山登りにもよく言っていることなど、色々なことに挑戦されていることがわかりました。
因みにトレーニングというのは想像以上のもので、70歳の御老体であるのに毎朝スクワット80回、腹筋500回、腕立て伏せ80回などなどされているようで、学生でもなかなかしません。(桁は間違えてませんよ。)

討論でも同じようなことを話しましたが、この日は先生が道場に通っている居合の演武を披露して下さいました。
流派は忘れたのですが、2段ということで、相当の腕前です。雅やかでした。



3日間の講義を通じ、先生が伝えたかったことはガンについての専門的なことよりも、もっと日常的なことや、感情的なことだったように思います。
「難しいことを簡単にわかりやすく伝えること」
「話はただ教え込むのではなく、ユーモアなどもまじえておちついてすること」
「地位などは後から付いてくるということ」
「まずは行動すること」
「とにかく本を読むこと」
「常日頃注意深く生きること」
とても書ききれませんが、そういうことを僕は感じました。