鳥類骨格標本 第一部 ~下ごしらえ~
どうも。コムです。
本日は題名の通り、鳥類の骨格標本を作製しました。
全3部作くらいになる予定です。
解体作業の写真もあるので、気持ち悪いのが苦手な方はご遠慮ください。
骨格標本とは。
まぁ名前の通りですし、皆さんも見たことある人が多いとは思いますが。
骨格標本とは、硬骨以外の組織をなくした骨のみでできた標本のこと。
主に内骨格(筋肉の内に骨がある構造)である脊椎動物で使える方法で、特に哺乳類で使われることが多い。
利点としては、保存が容易であること。また、生物部でも行っている透明標本など、厚い筋肉がある種類において標本の作製が不可能なものにも使えることなど。
重大な欠点は、筋肉の付き方などが一切分からなくなってしまうことがあげられる。
今回使用したのはメジロ。
バラムンディ宅のベランダに落ちていたそうです。2羽。
今さらですが、骨格標本を作製したのはバラムンディ、マンファリ、コムです。
体長(くちばしの先から尾羽の先まで)は、11cm。
手に収まるほど小さいです。
これが後々やり辛くなる要因なのですが。
初めに胸から皮を剥いでいくのですが、小さいのでうまくいきません。
部分ごとに、羽をむしって皮をはいでいくことに。皮膚は解凍したものだからか思っていたより薄く、すぐむけました。
羽を広げると20cmくらい。
中央の赤いところは、胸筋。
飛ぶためにかなり発達している。
次に翼(前肢)と脚(後肢)を関節から切り離します。
ここでも小さくてどこから切り離せばよいのかわからず、肋骨を少し切ってしまったり、逆に肩甲骨を残して切ってしまったり……。
分厚い胸筋(断面) 切り離した翼
内蔵を取り出す。
臓器の観察も行いたかったのですが、かなり溶けていました。
筋肉をなるべく取り除く。
←筋肉を取る前 ↓筋肉を取った後
鳥類は飛ぶために骨をスカスカにしたり、一部の骨を一体化させることで数を減らしたりして、体を軽くしています。
他の動物との比較や、骨の詳しい説明は完成したところで。
さて、体を部分ごとに分けて筋肉や臓器をできるだけ除いたら、次は取りきれなかった筋肉をとります。
骨格標本を作る際、最も悩むのがこの工程をどうやって行うかです。
加熱して、柔らかくなった所で筋肉をピンセットでとったり、虫などに食わせたり、薬品で溶かしたり……。
どれも一長一短ですが、今回は薬品で残った筋肉を溶かすことにしました。こうすると、骨がバラバラになりにくいですが漬ける時間を間違えると骨が痛みやすいです。
今回はネットで調べた通りにやってみました。
水500ccにたいして水酸化カリウムの粒になっているものを4,5粒溶かします。
そして、ラップなどで蓋をして一週間ほど放置する。
今後は様子を見て、次の工程に移りたいと思います。
針金で補強、油抜き、漂白、組み立てなど。
2日目
少し黄色くなっており、濁っていたのを見ると、筋肉が溶けだしたのだと思う。
1週間ほど漬けるとしたが、実際は経過によって早めに終わらせることになると思う。
足の筋肉を取りすぎていて、ふ脛骨なんかは、漬け終わりには溶けだしていると思うのだが・・・。
(バラムンディ)