桐朋生物部のブログ

桐朋生物部の活動をまとめたブログです。Twitterもよろしく♪

桐朋生物部

室内実験実習講座 2013

こんばんはマンファリです。国立ではやっと紅葉が本格的になってまいりました。
さてさてそんな時期から少しさかのぼった11月17日の出来事。
この日は東京生物クラブ連盟主催の室内実験自習講座というものに参加しました。
メンバーは高一アンター、エリーゼ、コム、マサ、マンファリ中三Loachman、チャリンライダー中二アカハナ、イール、ペッパーの10人に加え部長のマリオ。
そもそも室内実験実習講座とはというと、基礎的な実験から、高校ではできないような専門的な実験まで幅広いランクの実験をやらせてもらえる東京生物クラブ連盟主催の行事です。一年に一度しかないんですよね。これが。
2012 アフリカツメガエルの人工授精
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/16431160.html
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/16431230.html
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/16434288.html
2011 PCR
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/14254105.html
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/14255033.html
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/14255284.html
http://blogs.yahoo.co.jp/th_biology_c/14262649.html

そして今年は昆虫の解剖。
昆虫の解剖など普段やらないのでかなり気になるものがあります。
例年なら午前中レクチャー、午後実験という形なのですが、今年は午前カイコ幼虫の外部形態の観察。午後はカイコ幼虫の解剖、フタホシコオロギ成虫の外部形態の観察と解剖、ハエの外部形態の観察と解剖というなんともいえないスケジュール。

その前に、ほかの学校の先生から御挨拶。
どうやら今回の実習講座は基本に戻るということで基礎的な実験をやろうとのこと。
そこからさらに採集についてのお話が。
様々な、昆虫の採集方法や標本の作り方などなど。
お馴染みの道具が登場しましたね。
いくらほぼ毎週採集に趣いているとはいえ採集しない世代、幼い頃虫取りや魚取りをしなかった世代の一員なんだなぁと実感しました。

その後各教室に移り、解説を聞きながら観察&スケッチ
イメージ 1
配布された参考資料の上で沈黙するカイコ(マミちゃん)
カイコはクワゴを品種改良されたものでヒトに飼われるための種類です。
そのため餌は探すものではなく上から降ってくるもの。ということで上をむいてじっとしています。
体節の数、気門がある位置、胸脚(鉤爪のある、胸部に位置する脚)の位置、腹脚(腹部に位置する脚)を観察しスケッチします。
その後生理的食塩水にカイコを沈め、窒息させ麻酔をかけます。(多分仮死状態)
イメージ 2
右側の服脚が黄色い個体は黄血蚕といって体液が黄色い品種です。そのため黄色の生糸を吐きます。
さて、麻酔をかけ動きが鈍った隙に頭部の観察をします。
イメージ 3
頭部左側を実体顕微鏡で覗いた画像です。
画像では5個しか写っていませんが片側に6個の単眼があります。つまり6対12門の単眼でカイコは世の中を見ているのですね。
昼食後は解剖です。
ゴム板の貼られたシャーレにまち針でカイコを固定します。
イメージ 4

皮を展開した様子です。あ、このカイコは先ほどのマミちゃんで、顧問のマリオが解剖しました。いやぁさすがですね。
昆虫もヒト同様呼吸をしています。ヒトなどの脊椎動物の多くは肺胞から取り込んだ酸素を毛細血管を通しヘモクグロビンに結合させ全身へと巡らせます。
しかし昆虫は気門から体内に通じる気管が細かく分かれさらに全身に張り巡らされているため旗艦が直接各組織へと酸素を運びます。
ピンクの点線で囲まれたものが気管です。
そして黄色の点線で囲まれたものは絹糸腺と呼ばれるもので体内に1対あります。
カイコは高タンパクなクワの葉を食べ、それを絹タンパク質に変え液状絹という水あめ状の形で絹糸腺に蓄えます。これは途中で太くなるのですが頭部付近でかなり細くなります。そして口部にある吐糸管につながるのですが、細い吐糸管を通った液状絹は体外へ出ると固まり生糸となるわけです。
ですので絹糸腺を酢酸にしばらく浸した後引き上げ、勢いよく引っ張るとテグスができます。
緑で囲まれたものはマルピーギ管です。消化器官から分岐している排泄気管です。

そんなこんなで時間が過ぎコオロギ、ハエとうつるわけですがどちらも時間的に厳しかったですね。
今年はハードスケジュールでしたが絹糸腺などなかなか面白いものを見ることができました。
基礎に戻る。重要なことですよね。