桐朋生物部のブログ

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スッポンが亡くなられ…(解剖画像あり)

夏休み前―
かなり前のことですが、実は生物部で飼っていたスッポンさんが亡くなられました。
この子は中3である筆者のコムが入部したときにはもういたので、4年とかそのくらい生物部で飼われていました。

死の2日前までは餌を食べていたことが確認されていて、なぜ急に死んでしまったのかは今でもわかりません。
逆に、冬からの立ち上げで、急に餌を食べすぎてしまったためという仮説が一番可能性のあるもの。もしくは皮膚病関係だったかもしれません。
丈夫なスッポンを死なせてしまうなんて、反省ですね…


しかし、死んでしまったものを埋葬するだけでは勿体ないですので、解剖をしてみることにしました。
これから先にはそういう画像があるので、苦手な方はご遠慮ください。

平気な方は先へ












スッポン Pelodiscus sinensis
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←スッポン

普段は背骨は透けてません。解剖の時にこすったら、甲羅の皮がはがれて、半透明になりました。








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腹面→
















このスッポンは甲長(甲羅の大きさ)20㎝ちょっと。
体を洗いましたが、腐敗臭はほとんどせず、死後あまり時間がたってないようでした。

そして洗う際に口内に水を流したところ、
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なんかでてきました。
調べてみると、確証はありませんが、スッポンのクチバシのようです。
水で流しただけなのに外れてしまいました。こんなんで平気なんでしょうか。
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(外れる前)

次にいよいよ刃を入れていきます。
道具は基本的に解剖用ハサミとピンセットとメス。
腹面にも固い部分(腹甲)があるので、そう簡単に解剖できません。たぶん包丁とか使わないとこれは切れないです。
なので、とりあえず腹甲の無い部分から切って、腹甲を外す方針にしました。
肛門からハサミを入れて、腹甲を避けながら切進めます。
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腹甲のまわりをぐるっと切っていき、腹甲と背甲のつなぎ目は少し弱いので無理矢理切って、腹甲をなんとかはずします。これがかなり大変です。
この日は時間があったので、筆者は他の部員が部報を作っている中、なちゅにも手伝ってもらいながらなんとか内臓が見えるようにしました。
ぶっちゃけ最後は手で思いっきり腹甲をはぎ取りました。

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個人的には今までで一番綺麗に見れました。
やはり死後、あまり時間は経っていないようです。
今まで解剖したカエルやサバより断然大きいので、その分内臓が見やすいというのもあるでしょう。

イメージ 1イメージ 2















←心臓



















←肝臓(大きく赤黒い)、胆のう(黄緑色の)



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                                                    (胃から直腸のあたりまで)
胃から直腸のあたりまでを切り出してみると、50㎝ほどでした。
つまり、甲長の2倍強です。
ヒトは腸の長さで身長の4倍ほどあるので、それに比べると体長に対する長さが格段に短いことが分かります。


次に、これらの臓器を取り出した後に見えてきた臓器の紹介です。
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スッポンの肺は甲羅に沿ってかなり大きいもののようです。
いままでの解剖では、肺は萎んで小さくなっており、まともに見れたことが無かったのですが、よく見れました。

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←気管と肺

気管はゴムのように丈夫だが、肺の部分はでろでろとした感じ。






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←腎臓とその周辺










そして、
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背骨まで到達しました。
これで内臓の観察は終了です。


ついでに、この解剖途中で興味深いことが見れました。
スッポンのもつ長い首の収納方法です。
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上(首を伸ばしたとき)  下(首を縮めたとき)
写真を見て分かりますでしょうか。
上の写真(首を伸ばしているき)と下の写真(首を縮めているとき)では、首の根本が大きく腹の方にせり出してきています。
このとき、首の骨は2列にたたまれているので、その分首が短くなっています。



今回のスッポンの解剖は死なせてしまったことにより始めましたが、多くのことを見られたように思います。
偶然死体の状態がよく、運が良かった。
飼育して死んだ個体を解剖するのは気分が悪いという面もありますが、そのまま埋めるのも、生物部的にはどうかなという気もします。
自分の家で飼ってる生き物が死んでも、それを解剖するなんてことはしないでしょうけど。

また、この後、スッポンの頭骨標本も作りました。
一応できましたが、写真がないので、書くとしたらまた今度になります。