桐朋生物部のブログ

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赤飯旨い

どうも、コムです。
昨日5月3日に奥多摩方面へサンショウウオ観察に行きましたので、その報告を。
 
メンバーは私とアカハナの2名。
この日は天気が良すぎるほどで日差しが強く、山道を歩いていると汗がどんどん湧きます。しかし今回選んだポイントは道のりが長いことが特色で、冬の頃延々歩いて寒くて成果がヒダサンショウウオ幼生一匹のみだったという採集以来、一年半ほど避けていた場所。
 
なかなか到着しません。
 
道中では繁殖中のアズマヒキガエルや多くのヒガシニホントカゲ、またジムグリのDOR(轢殺体)などが見られ、その都度テンションを回復させてやり過ごしつつ、また歩きます。
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(アズマヒキガエル
 
山道に入れば木陰があって幾分まし。
また道端にはずっと花が咲いており、男子校での生活で忘却の彼方にあった「可憐さ」が目に優しいものです。
イメージ 2
ニリンソウ…かな)
 
そして標高を上げていると、驚くべきことに、まぁ予想はしていたのですが、予想以上の、えぇっと、つまりは……、雪です。
イメージ 3
(風景)
まだばりばり残っているんですね。
雪の上を滑ってくる風の冷たいこと。沢沿いの雪は比較的水温の高い沢の部分だけが溶け、周囲は残るためトンネル状に空洞が出来るのですが、トンネルの出口付近にいると冷気が……。
火照った体にははじめ天然のクーラー感覚で気持ちよかったのですが、息が白くなったのには驚きです。
 
そんなこんなで沢沿いの流れが緩い場所を漁ると、
アカハナから 「いたっ」 との声。
ハコネサンショウウオの幼生です。
イメージ 4
イメージ 5
(ハコネサンショウウオ幼生)
実はハコネは顔がつぶれ気味でちょっと不細工なんですよね。ヒダとかサンショウウオ属の方が幼生は可愛い顔してます。
 
言い忘れていましたが今日の目的はハコネサンショウウオの成体の観察。
 
一年の内、繁殖期の今だけ、観察できる可能性が高いです。というのも普段は林床の土中などにいると言われていて発見は困難で、今は沢に集まっているので見やすい、という。
国産のサンショウウオで唯一肺を持たず皮膚呼吸のみとか、飼育下での自然繁殖がまだ成功していないだとか、夏眠するかもしれないだとか、一部地域では春ではなく秋に産卵するとか、まだ判明していない生態もあり、
ミステリアスじゃないですか?
 
繁殖期は観察しやすいといっても、簡単っていう事ではなく。
午前中は延々道を歩くのに浪費されて、疲労も溜まったところで源流部に到着。昼飯にします。
しかしシーチキンおにぎりとスパイシーチキンはまだしも、ハコネを発見してめでたくなって食べようと思っていた赤飯のおにぎりは喉を通りません。
 
敗北臭が漂いかけていました。
私が座った岩の上にはイタチかなんかの糞もありましたし。
 
しかし形成逆転。
雪の冷気に当たりながら岩をめくると、
………!!!!イメージ 6!!!!
(ハコネサンショウウオ ♂)
発見時は声も出ず。
落ち着いてきたころ、下流から上ってきたアカハナに出合い頭に「ヤッターーー」とバンザイしつつ奇声を発したら、えっ…と結構引いてる白い視線だったので慌ててとりつくろって、まぁ目的達成です。
 
その後食った、赤飯旨い。