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サンショウウオ採集記録

 今日は数週間前に行った奥多摩、日原でのサンショウウオ採集と生態の観察です。この採集には奥多摩大好きのS氏と有尾類大好きのKが行きました。
 228日(日)の早朝、雨の降る中始発の電車に乗って奥多摩駅まで行きバスに乗ろうとしましたが、トイレに行っている間に乗り逃し1時間次のバスを待つことになりました。725奥多摩駅をバスで出発し810分に日原鍾乳洞からの登山道の入り口に着き登り始めました。すぐに雨は弱いだろうという希望は打ち砕かれました。弱いどころか強く、傘は役に立ちません。風によって傘の骨は折れました。日原は雪が多く残っており、雨も途中から吹雪に変わりました。

気温の低下、吹雪、危険な雪山の登山が初めてだったことなどで帰れなくなるんじゃないかという心配が次第に大きくなりました。いつ到着するのだろうと思い始めたころ目的地である沢に着きました。時刻は11時になっていました。

 すぐに採集を始めました。探すのはヒダもしくはハコネサンショウウオの成体でした。そのため沢にあるかなり大きな石をひっくり返す方法をとりました。水はとても冷たく手が凍るような感覚に襲われることもありました。それに耐え採集を始めること1時間、やっとヒダサンショウウオの越冬幼生を発見することができました。 

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上:最初に捕獲したヒダサンショウウオ 下:最終的に捕獲した8

はじめて見るサンショウウオであると同時にここまでの苦労が報われる思いがしてとても嬉しかったです。最終的にヒダサンショウウオ5匹、ハコネサンショウウオ3匹(すべて越冬幼生)を発見しました。卵嚢、成体は確認することができませんでしたが、現地の沢の様子や隠れていた場所など“生”の生態を観察することができたのは非常に良い経験となりました。 
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サンショウウオのいた沢

 
 採集が終わる2時ごろには空は快晴となり気温も上昇したため雪もほとんど溶けてしまいました。そのため帰りは登山道も少し安全になり快適な下山となりました。

 下山しバス停に着いたころには5時となっていました。私たちはバスの中で成果に満足して睡眠を取り、奥多摩に別れを告げました。
 捕獲した8匹の越冬幼生のうち、更なる生態の観察や将来的な繁殖を行うためにヒダサンショウウオ3匹、ハコネサンショウウオ2匹連れて帰り、現在部室で飼育、研究を行っています。